保険クリーニングと自費クリーニングの違い

保険は治療行為に適応できることはご承知の通りです。

保険でのクリーニングはあくまで治療の一環として歯周病を治すために行います。

なので、歯周病がいったん落ち着いた場合には、保険でのクリーニングは本来はできないのです(もちろん、一般の歯科医院でまだされている医院はあります)。しかし当院では、法律に則り、「違法は違法」と考え、健康な人のクリーニングを保険診療では行わず、自費診療とさせていただいております

保険診療の場合使える器具が限られており、一度に効率よく着色や汚れを落としきることが難しくなっております。何度も通って頂かなくてはなりません。

反対に、自費診療でのクリーニングは一度の来院で、痛みや不快感なく汚れと着色を落としきり、舌で触れる範囲がツルツルになり、気持ちよくなれる施術をご用意しております。また、通うペースもご自身で決めて頂けます。

 

保険診療と自費診療の違い

みなさんは歯科医院で治療を受ける際に「保険診療と自費診療」のお話を聞いたことがありますか?

保険診療の歴史は古く、それだけに少し現代のニーズに合わない部分も出てきています。

保険治療は国の保険で定められておりますから、どこの医院でも時間や費用に差はありません。「給食」のようなものです。

反対に自由診療は文字通り何を使用しても、値段設定も自由です。ある程度のルールはありますが、こだわる部分も医院によって異なります。「懐石料理やフレンチのフルコース」のようなものです。

 

具体例を見てみましょう。

 

①自由診療で使用される材料の代表的なものはセラミックと言います。言い換えると陶器です。セラミックは現時点で体へのなじみが一番よく、人工関節などにも使用されます。他にも洗面所やお茶碗にも使用され、長持ちしやすいのが特徴です。

ここで皆さんに一度想像してもらいたいのです。毎日使っていて劣化しやすいのはどちらでしょうか?セラミックは表面がツルツルしていてそもそも汚れが付きにくい素材です。また、汚れが付いたとしてもサッとこすり洗いすればきれいに取れます。では洗面所やお茶碗が金属でできていたら普段のお手入れはどうなるでしょうか?毎日のこすり洗いはセラミックより面倒でしょう。また、金属は使っていくうちに表面に細かな傷ができ、そのうちしっかりと洗うのが難しくなっていくでしょう。つまり、長い間使用していくうちに劣化していくのです。

②また、精度にも違いが現れます。保険の治療はどうしても使用できる材料が決められているため、ある程度の精度までしか出せません。反対に自費診療は精度の高い材料をチョイスできます。どちらがぴったり歯に合うか、どちらが歯が長持ちするか、は言うまでもありません。

 

③さらに、保険の金属の修復物を口の中にセットする際にもセラミックと差が出てしまいます。金属は原則、歯とはくっつきません。したがってボンドで無理やり止めます。ただし、無理やり止めるので一部ボンドが剥がれてくるとそこから虫歯になりやすいです。金属の修復物を外した後に歯が真っ黒になっているのはそのためです。

反対にセラミックは歯と化学的に接着します。歯の表面とセラミックの表面を化学的に処理して強力なセメントで接着させます。このため、セメントが硬化した後は歯と一体化し、より長持ちします。

④また、修復物の硬さも歯の長持ちに影響してきます。金属は歯よりも固い為、大きすぎる金属の修復物は土台の歯を割ってしまう事があります(歯の破折)。歯は割れてしまうと一気に歯の寿命が短くなります。セラミックは歯と同じ硬さの為、土台の歯を割ってしまうことはありません。

このように保険診療と自由診療の違いは単に費用だけでないことがわかります。

皆さまのニーズに合った治療を一緒に選んでいければ幸いです。

番外編

なお、保険で白い樹脂(プラスチック)で修復することがあります。

プラスチックは材料としては摩耗しやすく、長持ちしにくい材料です。ただし、使いどころを選べば非常にいい材料なので、治療を希望される際は一度ご相談ください。

また、最近保険診療で白い修復物(CADCAM)が適応されましたが、こちらもプラスチックと同じとお考え下さい。CADCAMは大きな治療には不安が残るため、当院では実施しておりません。