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Q.入れ歯は人工の歯だし、むし歯にはならないですよね?毎日のお手入れって必要ですか?
A.お手入れをちゃんとしないと、菌の温床となったり、入れ歯が破損してしまうことがあります。
~毎日のケアで快適に長く使い続けるために~
「入れ歯はむし歯にならないから、お手入れはそこそこでも大丈夫」――そんなふうに思っていませんか?
たしかに、入れ歯は天然の歯と違ってむし歯にも歯周病にもなりません。
しかし、プラーク(歯垢)や歯石は付着しますし、不適切なケアは口臭や口内炎、さらには残っている歯の健康にも影響を与えかねません。
今回は、入れ歯を快適に、そして長く使い続けるために欠かせない「毎日のお手入れ方法」について、食後のお掃除から保管方法まで詳しくご紹介します。
なぜ入れ歯にお手入れが必要なの?
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プラークや歯石がつくため
入れ歯も、天然歯と同じくプラークが付着します。これを放置すると、細菌の繁殖や悪臭の原因に。部分入れ歯の場合は、ハリガネ(クラスプ)で支えている歯が特に汚れやすく、むし歯や歯周病のリスクが高くなります。 -
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ぬるま湯(熱湯はNG!)に専用の洗浄剤を溶かす
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入れ歯を完全に浸して、指定時間置くだけで除菌・消臭効果も期待できます
着色やニオイ、破損の原因にも
入れ歯はコーヒーやお茶、喫煙などによって着色しやすく、清掃が不十分だと見た目も清潔感が損なわれます。また、歯石がこびりついて取れなくなると、無理に取ろうとして破損するおそれもあります。食後のお手入れ編~入れ歯をきれいに保つ毎日の習慣~
① 落として割らない工夫を!
洗面所でお手入れをする際には、洗面台に水を張るか、水を張った洗面器を用意しましょう。入れ歯は意外と割れやすいため、落下時の衝撃を防ぐ工夫が必要です。
② 入れ歯専用ブラシで丁寧に
市販の入れ歯用ブラシは、普通の歯ブラシよりも毛にコシがあり、入れ歯の形状に合わせた設計になっています。普通の歯ブラシでは届きにくい細かい部分も磨きやすく、効果的に汚れを落とせます。
❌ NGポイント:歯磨き粉は使わないで!歯磨き剤に含まれる研磨剤は、入れ歯に細かい傷をつけてしまい、そこに汚れが入り込んで落ちにくくなる原因になります。
③ 特にクラスプ(ハリガネ)周りを念入りに
金具のかかっている部分は汚れが溜まりやすく、残存歯に悪影響を与えるリスクが高いです。毛先をしっかり当てて、やさしく小刻みに磨くようにしましょう。
④ 天然の歯も忘れずに!
部分入れ歯の方は、残っている歯も大切に守ることが重要です。入れ歯が接している歯の側面や根元は特に注意して、毎日しっかりブラッシングを行いましょう。
⑤週に1回は洗浄剤でスッキリ
毎日のブラッシングに加えて、1日1回の入れ歯洗浄剤でのケアがおすすめです。
❗ポイント:洗浄剤を入れる容器は、入れ歯専用ケースを使いましょう
コップなどを使うと、入れ歯がはみ出して洗浄液が薄まってしまい、効果が十分に発揮されません。
保管のポイント
入れ歯は乾燥に弱く、ひび割れや変形の原因になります。
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使わないときは、水を張った入れ歯ケースに入れて保管
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一時的な保管には、濡れたガーゼに包んで湿らせておくのもOKです
困ったときは歯科医院へ
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変色やヒビ、違和感、がたつき
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着色汚れや歯石がこびりついて落ちない
こうしたトラブルを感じたら、自己判断せずにすぐ歯科医院を受診しましょう。専用の超音波洗浄機などで丁寧にケアしてもらえますし、破損や金具の不具合も早めに対応できます。
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