むし歯が進行して、神経をとることになりました。神経治療とはどんなものですか?|豊中市の歯医者・矯正歯科|エンパシーデンタルクリニック

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むし歯が進行して、神経をとることになりました。神経治療とはどんなものですか?

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神経と根管治療

歯の内部で細菌感染を起こした神経をとり除き、掃除と殺菌剤で治療をします。
歯の中には細かい神経や血管が通っており、それを「歯髄(しずい)」と呼びます。骨の中の神経や血管と「骨髄」と呼ぶのに似ていますね。むし歯が進行し、歯髄まで到達してしまうと細菌によって歯髄が炎症を起こしてしまい歯が痛みます。歯髄にはある程度抵抗力があるのですが、一度歯髄に炎症が生じてしまうと細胞が死んでしまうことが多く、むし歯が大きすぎて歯髄が露出した場合も予防的に歯髄をとらなければいけません。むし歯以外にも、歯の破損や外傷などによって歯髄を取ることもあります。炎症や感染により歯が痛むだけでなく、根の周りの組織にまで炎症が広がることや、歯肉が腫れてしまうこともあるため、早い処置が望まれます。この歯髄をとる治療を「根管治療(こんかんちりょう)」と呼びます。根管治療を上の図と照らし合わせながら解説しましょう。

根管治療の手順

歯髄が感染し壊死してしまうと歯の根の部分「歯根」の先に膿がたまってしまいます(①)。歯髄をとり除いたら(②)、空になった歯の内側を薬で洗浄ししっかりと歯根まで殺菌します(③)。殺菌したあと再感染しないように薬を入れ、仮のフタをします(④)。その後、膿などの炎症がないことを確認したのち、根管にゴム状の詰め物を先端までしっかりと詰めていきます(⑤)。無事詰め終わったらフタをして、その上に詰め物や被せ物をして補綴します。(⑥)。これらの治療工程を数日にかけて行っていきます。

根管治療の難しさ

根管治療は、実はとても難しい治療です。患者さんの歯髄の通る根管の形、枝分かれの仕方などは人によってさまざまです。まっすぐ伸びているわけではなく、複雑な形になっています。そこを専用の金属の器具を使って掃除していくのですが、根の中は複雑で単純な円の形をしている事はほとんどありません。ある研究ではどんなに上手に掃除しても 65% 程度しか掃除しきれないというデータもあります。私たち歯科医は可能な限り枝分かれした根管を掃除し、その後は薬剤で消毒をすることしかできません。このような枝分かれしている部分に細菌が入るとどうなるでしょうか?

何回治療しても痛みがとれないといった「難治化」になりやすくなってしまいます。なので、根管治療中には細菌を根管内に入れないことが重要です。これには前にご紹介した「ラバーダム」が必須になってきます。しっかりと唾液を隔離してから根管治療をしてもらいましょう。

根管治療のデメリット

また、残念ながら根管治療をする時点で歯の寿命は短くなってしまいます。根管治療で根の中の歯の壁をゴシゴシと削ったり、根管治療の後の処置で被せ物を作るときにまた歯を削るので、どうしても歯やお口に負担がかかるからです。

まとめると、根管治療はしないに越したことはありません。ただし根管治療をしないと痛みが出そうな場合にはやむを得ません。歯を長持ちさせることを目標にしている歯科医としてもできるだけ根管治療はしたくないので、むし歯になったらなるべく早めに治療しましょう。

根管治療成功のポイント

もうひとつ重要なのが患者さんの抵抗力です。みなさんのからだの抵抗力によって炎症がおさまり治癒していくのです。ですので、体力が落ちているときや基礎疾患をお持ちの高齢者の方などは治りが遅いこともあります。ちなみに、歯の内側の歯髄を除去した後も歯の外側にある歯髄は残っています。歯髄をとったからといって、痛みがその日のうちになくなるわけではありません。みなさんのからだの力によって、時間をかけて徐々に痛みが緩和していきます。

まとめ

稀にすでに治療をした根に再び炎症を起こすことがあります。一度治療して症状が落ち着いているにもかかわらず再び炎症が起きたということは他にどこか原因があると考えられます。二度目の治療はさらに難度が上がり、すでに歯髄をとった歯のため、ひどく進行しないと痛みも出ず、発見が遅れてしまうことがあります。そうならないためにも日頃からメインテナンスを受けて、早期発見を心がけてください。

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