歯と全身の関係⑬【ベーチェット病】|豊中市の歯医者・矯正歯科|エンパシーデンタルクリニック

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歯と全身の関係⑬【ベーチェット病】

歯と全身の関係⑬【ベーチェット病】|豊中市の歯医者・矯正歯科|エンパシーデンタルクリニック

ベーチェット病

<連携> 歯科⇔内科、眼科

ベーチェット病は、口腔粘膜のアフタ性潰瘍、外陰部潰瘍、皮膚症状、眼症状という4つの主要な症状が特徴的な慢性再発性の全身性炎症性疾患であり、指定難病に指定されています。

この病気は、特に若年成人、20〜40歳の間に発症することが多く、特に30代にピークを迎えることが知られています。

ベーチェット病の発症原因についてははっきりとしたことは分かっていませんが、遺伝的要因や感染症などの要素が絡むことで発症すると考えられています。

近年、ベーチェット病の患者において口腔内の健康状態が病気の進行にどのように影響を与えるのかについての研究が進んでおり、特に歯周病とベーチェット病の関連が注目されています。

今回は、ベーチェット病とその治療における歯科的なアプローチ、口腔ケアの重要性、そして歯科医と内科、眼科の連携の必要性について詳しく解説していきます。

1. ベーチェット病の概要

ベーチェット病は、口腔内をはじめ、外陰部や皮膚、眼などの粘膜に炎症を引き起こす疾患です。

この病気は、慢性的かつ再発性の症状が特徴的であり、症状が突然現れたり、良くなったりすることが繰り返されます。

主な症状としては以下の4つがあります:

  • 口腔粘膜のアフタ性潰瘍:口内に痛みを伴う潰瘍が繰り返し現れる。
  • 外陰部潰瘍:外陰部に痛みを伴う潰瘍が現れる。
  • 皮膚症状:皮膚に発疹や膿疱が現れることがある。
  • 眼症状:最も深刻な症状の一つで、ブドウ膜炎を引き起こし、視力が低下することがある。

これらの症状は個別に発生することもあれば、同時に複数の症状が現れることもあります。

特に眼症状であるブドウ膜炎は、視力を損なう危険があり、最悪の場合失明に至ることもあるため、早期の診断と適切な治療が求められます。

2. ベーチェット病の原因と発症メカニズム

ベーチェット病の原因は現在のところ明確に解明されていませんが、遺伝的要因と環境要因が関与していると考えられています。

特に、HLA-B51という遺伝子がこの病気と関連していることが多いとされています。

また、感染症、特に細菌やウイルスが発症の引き金となる場合もあると言われています。

免疫系の異常によって自己免疫反応が引き起こされ、正常な組織が攻撃されることがこの病気の特徴です。

具体的には、免疫系が過剰に反応し、血管内で炎症を引き起こすことで、口腔内や外陰部、皮膚、眼などに症状が現れるのです。

3. ベーチェット病と歯周病の関連

ベーチェット病の患者において、歯科治療が重要な理由の一つに、歯周病が病気の症状を悪化させる可能性がある点があります。

特に、ベーチェット病患者が歯を抜いた後、1日から2日後にブドウ膜炎が発症したり、視力が低下することが珍しくないことが知られています。

この現象は、歯周病菌である口腔連鎖球菌が血流に入り込み、その細菌が全身に広がることが原因であると考えられています。

歯周病が進行していると、歯周病菌が血流に入りやすくなり、全身に影響を及ぼすことがあります。

これにより、免疫反応が過剰になり、ベーチェット病の症状を悪化させる可能性があります。歯周病が重度であるほど、症状の進行が速くなると考えられており、口腔衛生状態が良好であれば、病気の進行をある程度抑制できる可能性があります。

また、歯周病による感染が引き金となって、ベーチェット病の目の症状、特にブドウ膜炎が引き起こされることがあるため、口腔内の衛生状態を清潔に保つことが、ベーチェット病の患者にとって非常に重要であることがわかります。

4. 歯科治療の重要性と適切な口腔ケア

ベーチェット病の患者において、歯科治療や口腔ケアがどのように役立つのでしょうか?

まず、歯科医師との連携が非常に重要です。

特に歯を抜かなければならない場合、事前に慎重に準備をすることで、感染のリスクを最小限に抑えることができます。

4.1 抜歯前の準備と注意点

ベーチェット病患者が抜歯を受ける場合、事前の口腔衛生管理が非常に重要です。

口腔内を清潔に保つことによって、歯周病菌や他の細菌が血流に入り込むリスクを減らし、抜歯後の合併症を予防することができます。

具体的には、以下の点が推奨されます:

  • 歯周病治療の実施:抜歯を行う前に、歯周病の治療を行い、口腔内の菌数を減少させることが重要です。
  • 口腔衛生の徹底:日常的な歯磨きやフロス、うがいを徹底し、口腔内を清潔に保つことが求められます。
  • 歯科医師との連携:ベーチェット病の症状について歯科医師に詳しく伝え、抜歯前に十分なアドバイスを受けることが大切です。

4.2 歯科と内科・眼科の連携

ベーチェット病の患者においては、歯科医師と内科医、眼科医の連携が必要です。

特に、歯科治療が進行中に、内科医や眼科医との密な連携をとることで、感染症のリスクを軽減し、全身的な症状の悪化を防ぐことができます。

例えば、歯周病が進行している場合、内科医による免疫抑制療法が必要なこともあります。

眼科医は、特に視力低下やブドウ膜炎の症状に対する治療を行い、視力を守るために適切な処置を行います。

歯科医師が歯周病の進行を防ぎ、内科医や眼科医と連携を取ることで、ベーチェット病患者が安心して治療を受けることができます。

5. まとめ

ベーチェット病は、免疫系の異常により引き起こされる慢性再発性の全身性疾患であり、口腔内の衛生状態が病気の進行に大きな影響を与えることがあります。

歯周病が進行すると、病気の症状が悪化し、最悪の場合、視力に影響を与えることもあります。

そのため、歯科医師と内科医、眼科医の連携が不可欠です。

ベーチェット病患者が安全に抜歯を受けるためには、事前に口腔内の清潔を保ち、必要な治療を行うことが非常に重要です。

また、自分の病気の状態をしっかりと歯科医に伝え、適切な治療を受けることが、病気の進行を抑制し、全身的な健康を守るための第一歩となります。

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