歯周病が引き起こす「4つの全身疾患」とその予防法|豊中市の歯医者・矯正歯科|エンパシーデンタルクリニック

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歯周病が引き起こす「4つの全身疾患」とその予防法

歯周病が引き起こす「4つの全身疾患」とその予防法|豊中市の歯医者・矯正歯科|エンパシーデンタルクリニック

歯周病というと、「歯ぐきが腫れる病気」「歯が抜ける原因」といったイメージをお持ちの方が多いのではないでしょうか。

実は、歯周病は「お口だけの病気」ではありません。

近年の研究によって、歯周病が全身の健康にも深く関係していることがわかってきました。

中でも特に関連性が高いとされているのが、以下の4つの疾患です:

  1. 心筋梗塞・動脈硬化などの心疾患

  2. 糖尿病(歯周病と相互に影響)

  3. 高齢者に多い誤嚥性肺炎

  4. 妊婦の早産・低体重児出産

この記事では、それぞれの疾患と歯周病の関係性、そして私たちが今できる対策について詳しく解説していきます。


歯周病と全身疾患の関係はどうして起こるのか?

歯周病の原因となるのは、歯周ポケット内にたまった細菌(プラーク)です。

歯周病が進行すると、歯ぐきの組織が破壊され、毛細血管がむき出しになります。

そこから歯周病菌やその毒素が血流に乗って全身を巡ることで、体のさまざまな場所に悪影響を及ぼすことがあるのです。

また、体がこれらの細菌に対して炎症反応(免疫反応)を起こすことで、血管や臓器にも影響を与えることがわかっています。


1. 心疾患(心筋梗塞・動脈硬化)

歯周病菌が「心臓の血管」に悪影響を与える

歯周病菌は血流に乗って全身へ運ばれ、心臓の血管(冠動脈)に炎症を引き起こすことがあります。

これにより、血管が狭くなったり、プラーク(脂質の塊)がたまったりして動脈硬化の進行を早めることが示唆されています。

さらに、プラークが破裂すると血栓ができ、心筋梗塞や狭心症を引き起こす可能性も。

特に注意が必要な方:

  • 高血圧や高脂血症がある方

  • 家族に心疾患の既往がある方

  • 喫煙習慣のある方

✅ 歯科でできる対策:

  • 歯周病の早期治療・定期メンテナンス

  • 歯ぐきからの出血や腫れを放置しない

  • 歯石除去・プラークコントロールの徹底


2. 糖尿病と歯周病の「相互関係」

糖尿病があると歯周病が悪化しやすい

そして歯周病があると、糖尿病のコントロールも難しくなる

糖尿病の方は、血糖値の上昇により免疫機能が低下しやすく、感染症にも弱くなるため、歯周病菌に対する防御力も落ちます。

その結果、歯周病が進行しやすくなるのです。

一方で、進行した歯周病が慢性的な炎症状態を体内で起こすことにより、インスリンの働き(インスリン感受性)を低下させてしまうという研究結果もあります。

このような方は要注意:

  • 糖尿病の診断を受けている方

  • 血糖値が高めの方(HbA1cが6.5%以上)

  • 家族に糖尿病の人がいる方

✅ 歯科でできる対策:

  • 歯周病の治療によって血糖値の改善が期待できる

  • 糖尿病内科と連携した歯科治療も有効

  • 毎日のセルフケア強化が鍵に


3. 高齢者に多い「誤嚥性肺炎(ごえんせいはいえん)」

歯周病菌が気道へ入り込み、肺炎を起こす

高齢者の肺炎の多くは、風邪のウイルスではなく、口腔内の細菌が誤って気道に入ってしまうことで起こります。これが「誤嚥性肺炎」です。

特に寝たきりの方や、飲み込み機能が低下している高齢者は、口の中の細菌がそのまま肺に入ってしまうリスクが高いのです。

歯周病があると、歯ぐきから膿や血液が出やすくなり、口腔内細菌数も増加します。これが肺炎の引き金になることも。

注意が必要な方:

  • 高齢者(特に75歳以上)

  • 寝たきりや認知症の方

  • 食事中にむせやすい方

✅ 歯科でできる対策:

  • 定期的な口腔ケアで細菌数を減らす

  • 介護施設での訪問歯科診療の活用

  • 家族による口腔ケアの補助も大切


4. 妊婦さんの早産・低体重児出産

歯周病が“お腹の赤ちゃん”にも影響する?

近年、歯周病にかかった妊婦さんが早産や低体重児を出産するリスクが高いという研究報告が多数発表されています。

これは、歯周病の炎症によって放出されるサイトカイン(炎症性物質)が子宮に影響を与え、陣痛を早めてしまう可能性があるためです。

また、妊娠中はホルモンバランスの変化により、歯ぐきが腫れやすく、歯周病が悪化しやすい状態になります。

妊娠中・妊娠を予定している方へ:

  • 妊娠前に歯科検診を受けるのが理想

  • 妊娠中も安定期に治療・クリーニングは可能

  • つわりで歯磨きが難しい時は無理せず相談を

✅ 歯科でできる対策:

  • 妊娠前・妊娠中の口腔ケアを丁寧に

  • 産婦人科と連携したケアの提供

  • 必要であれば妊娠中用の処置メニューもご用意しています


歯周病は「命にかかわる」時代に

歯周病は、ただの歯の病気ではありません。

最新の医療では、全身疾患のリスク管理の一環として、歯周病予防が非常に重視されています。

日本歯科医師会や厚生労働省も、糖尿病対策・高齢者の健康寿命延伸のために、歯周病治療と口腔ケアの重要性を強調しています。


今できる歯周病予防の習慣

以下の3つが、歯周病と全身疾患を防ぐ基本です:

  1. 正しいセルフケア

     歯ブラシ + フロス + 歯間ブラシを習慣に。

  2. 3〜6ヶ月ごとの定期検診

     自覚症状がなくても、定期チェックが病気の早期発見につながります。

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