
目次
毎日しっかり歯磨きをしていても、「どうしてかむし歯ができてしまう…」と悩んでいませんか?
それは「むし歯になりやすい場所」があるからかもしれません。
今回は、むし歯ができやすい場所(部位)を詳しくご紹介します。
さらに、その場所を狙って効率よく予防するコツも合わせてお伝えします。
1.むし歯になりやすい場所って?
歯は単なる“かたい骨”ではなく、形状や役割によって虫歯のリスクが異なります。
むし歯ができやすい場所は、主に以下の3つのポイントに集約されます。
① 奥歯の噛み合わせの溝(咬合面)
歯の中でも特に奥歯の噛み合わせ面の溝はむし歯になりやすい場所の代表です。
この溝は複雑で細かいため、食べかすやプラーク(歯垢)がたまりやすく、歯ブラシが届きにくいのが原因です。
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奥歯の噛み合わせの溝は、とても狭く深い
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歯ブラシの毛先が届きにくい
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溝の中は虫歯菌が増えやすい環境
このため、初期のむし歯はこの溝から始まることが多いです。
② 歯と歯の間(隣接面)
歯と歯の隙間もむし歯ができやすい場所です。
特に、フロスや歯間ブラシを使わずに歯磨きをしている方は、歯と歯の間のプラークが残りやすくなります。
この部分は目に見えにくいため、気づいたときにはむし歯が進行していることも多いのが特徴です。
③ 歯と歯茎の境目(歯頚部)
歯の根元付近、歯と歯茎が接する部分もむし歯ができやすいゾーンです。
ここは歯ブラシの当て方が難しく、また歯茎が後退して根が露出している場合は特にリスクが高まります。
2.部位ごとのむし歯になりやすい理由
では、それぞれの場所がなぜむし歯になりやすいのか、詳しく解説します。
奥歯の溝のむし歯
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奥歯の咬合面には細かい溝やくぼみがあり、食べ物のカスや細菌が溜まりやすいです。
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歯ブラシの毛先が溝の奥まで届かず、プラークが残りやすくなります。
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溝が深い場合、表面はまだ健康でも、溝の中でむし歯が進行していることも。
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特に子どもの生えたての永久歯はエナメル質が弱く、溝の部分から虫歯が始まりやすいです。
歯と歯の間のむし歯
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歯と歯の間は狭く、ブラッシングでは完全にプラークを落としきれません。
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ここにはミュータンス菌などの虫歯菌が集まりやすく、糖分を使って酸を作り出しやすい場所。
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初期のむし歯はこの部分にできると気づきにくく、症状が出にくいので放置されがちです。
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特に歯並びが悪かったり、歯が重なっている部分はリスクが高くなります。
歯の根元(歯頚部)のむし歯
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歯と歯茎の境目は、歯ブラシの圧力が弱くなりやすい場所。
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歯茎が少し下がると、象牙質というやわらかい部分が露出し、むし歯ができやすくなります。
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象牙質はエナメル質よりも酸に弱く、むし歯が早く進行します。
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加齢や歯周病が原因で歯茎が下がる人は特に注意が必要です。
3.むし歯になりやすい部位ランキング
患者さんからよくむし歯ができやすい場所としてご相談いただく頻度をもとに、以下のランキングを作成しました。
| ランク | 部位 | 理由・特徴 |
|---|---|---|
| 1位 | 奥歯の咬合面(噛み合わせの溝) | 溝が深くプラークが残りやすい |
| 2位 | 歯と歯の間(隣接面) | ブラッシングしにくく見えにくい |
| 3位 | 歯の根元(歯頚部) | 象牙質が露出しやすく進行が早い |
| 4位 | 前歯の裏側(特に下の前歯) | 舌の動きや歯ブラシの届きにくさ |
| 5位 | 義歯や被せ物の縁 | 不適合だとプラークがたまりやすい |
4.むし歯になりやすい場所の予防法
奥歯の溝の予防
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溝の部分は特に丁寧に磨く
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フッ素入りの歯磨き粉を使う
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シーラント(溝を樹脂で埋める予防処置)を検討する
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定期検診で溝の状態をチェック
歯と歯の間の予防
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毎日のフロスや歯間ブラシの使用が必須
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歯並びが悪い場合は矯正治療を検討することも効果的
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定期的にプロのクリーニングを受ける
歯の根元の予防
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歯ブラシの当て方を工夫し、優しくしっかり磨く
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歯茎の健康を保つために歯周病予防も同時に行う
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歯茎が下がっている場合は、特に歯科医院でのケアを受ける
5.まとめ
むし歯は「場所によってできやすさが違う」という特徴があります。
特に奥歯の溝・歯と歯の間・歯の根元はむし歯のリスクが高いゾーンです。
毎日のケアを見直し、定期的に歯科医院で検診やクリーニングを受けることで、むし歯予防の効果を高められます。





