
目次
今回は「虫歯になりやすいリスクゾーン」を“年齢別”に分けてご紹介します。
虫歯のなりやすさは年齢やライフスタイルによって異なり、実は「虫歯ができやすい場所」も年代によって変わってきます。
年齢ごとの特徴を理解し、虫歯予防をより効果的に進めていきましょう!
■ 1歳〜5歳:乳歯の虫歯に要注意!
▼ リスクゾーン:
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上の前歯の歯と歯の間
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奥歯(乳臼歯)のかみ合わせ
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歯と歯茎の境目
乳歯はエナメル質(歯の表面)がとても薄いため、虫歯の進行が早いのが特徴です。
特に「上の前歯の裏側」は、哺乳瓶を使ったまま寝かせる習慣(哺乳瓶う蝕)などにより、虫歯になりやすい部位です。
また、奥歯が生えてくる3歳頃からは、かみ合わせの溝に食べかすがたまりやすくなるため、ここも要注意です。
▼ 予防のポイント:
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食後すぐの歯磨きを習慣に
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フッ素入り歯磨き剤を使用(子ども用)
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親による仕上げ磨きを5〜6歳まで継続
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定期的なフッ素塗布
■ 6歳〜12歳:「6歳臼歯」が最大のリスク!
▼ リスクゾーン:
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第一大臼歯(6歳臼歯)のかみ合わせの溝
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歯と歯の間(特に永久歯と乳歯の間)
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萌出直後の永久歯の歯頸部(歯の根元)
6歳前後に生えてくる「第一大臼歯(6歳臼歯)」は、かみ合わせの要となる重要な歯ですが、溝が深く磨き残しが多いため、虫歯になりやすいです。
また、永久歯が生え始めて乳歯と混在している時期(混合歯列期)では、歯並びが不揃いで歯ブラシが届きにくい場所も多くなります。
▼ 予防のポイント:
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シーラント(奥歯の溝を埋める処置)の活用
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歯と歯の間の清掃(デンタルフロスの使用)
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歯科での定期健診を欠かさない
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噛む回数を増やし唾液の分泌を促す
■ 中学生、高校生:生活習慣の乱れに注意!
▼ リスクゾーン:
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歯と歯の間
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親知らずの周囲
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歯列矯正中のブラケット周辺
思春期になると、自立した生活を始める一方で、食生活の乱れや夜更かし、歯磨きの怠りがちになる傾向があります。
親知らずが生え始める年齢でもあり、歯ブラシが届かず磨き残しやすい場所が増えることも虫歯のリスクに。
また、歯列矯正をしている方は、装置の周囲にプラーク(歯垢)が溜まりやすく、特に歯の付け根付近がリスクゾーンになります。
▼ 予防のポイント:
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歯磨きの時間・頻度を見直す(最低でも朝晩2回)
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矯正中は専用ブラシやフロスを活用
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糖分摂取のコントロール(間食や清涼飲料水)
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定期的なプロフェッショナルクリーニング
■ 20代~30代:「自分のケア」が鍵を握る時期
▼ リスクゾーン:
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歯と歯の間(特に奥歯)
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歯の根元(歯頸部)
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親知らずの周囲
社会人になると多忙な生活の中で、歯のケアが後回しになりやすくなります。
ストレスや睡眠不足が唾液の分泌量を減らし、虫歯や歯周病のリスクを高めます。
特に親知らずのトラブルが増えるのもこの時期です。
また、知らず知らずのうちに「コーヒー・甘い飲み物」「オフィスでのおやつ」などの習慣が、虫歯の原因になることも。
▼ 予防のポイント:
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電動歯ブラシやフロスで徹底ケア
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親知らずは定期的にチェックし、必要なら抜歯も検討
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生活習慣(食事・睡眠・ストレス)の見直し
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年に2〜3回の歯科受診を習慣化
■ 40代〜60代:歯周病との関連に注意!
▼ リスクゾーン:
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歯の根元(歯頸部・根面)
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詰め物や被せ物の隙間
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ブリッジや義歯の周囲
この世代になると、加齢によって歯茎が下がり、歯の根っこ(象牙質)が露出することが増えます。
象牙質はエナメル質よりも柔らかいため、虫歯になりやすく進行も早いのが特徴です。
また、過去の治療痕(詰め物やクラウン)の隙間から虫歯が再発する「二次う蝕」も多く見られます。
▼ 予防のポイント:
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歯間ブラシを取り入れたケア
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根面う蝕を防ぐフッ素ジェルの使用
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被せ物の適合チェックとメンテナンス
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歯周病との併発に注意し、専門医の診断を受ける
■ 60歳以降:口腔乾燥と根面う蝕に注意!
▼ リスクゾーン:
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歯の根面(根っこ)
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義歯と粘膜の接触部
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残存歯の周囲全体
高齢になると、唾液の分泌量が減少し、口腔乾燥(ドライマウス)になる方が増えます。
唾液は口の中の細菌を洗い流し、再石灰化を促す大切な役割があるため、唾液の減少は虫歯リスクを高めます。
また、入れ歯や部分義歯を使用している方は、義歯の周囲の歯や粘膜との摩擦でトラブルが生じやすくなります。
▼ 予防のポイント:
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保湿ジェルや人工唾液の活用
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義歯の洗浄と適切なフィットの維持
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根面う蝕に特化したフッ素入り製品の使用
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月1回〜2ヶ月に1回の定期検診
■ まとめ:年代ごとの「虫歯リスクゾーン」を知って賢く予防を!
虫歯は「年齢」や「生活習慣」によって、なりやすい場所や原因が異なります。
それぞれのライフステージに合った予防法を取り入れることで、一生自分の歯で噛める健康な口腔環境を維持することができます。





