
目次
― 装置だけでは治らない理由 ―
近年、小児矯正の分野で注目を集めている「マイオブレース治療」。

「取り外し式で痛みが少ない」「歯を抜かずに矯正できる可能性がある」といった点から、当院でもご相談が増えています。
しかし、マイオブレース治療は装置を入れるだけで歯並びが自然に整う治療ではありません。
治療の成否を大きく左右するのが、日々行うトレーニング(筋機能訓練)です。
今回は、
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なぜトレーニングが必要なのか
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どのような内容を行うのか
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継続することの意味
について、わかりやすく解説します。
マイオブレース治療とは?
マイオブレース治療は、歯並びが悪くなる根本原因(口腔習癖や筋機能の異常)にアプローチする矯正治療です。
従来の矯正治療が「歯を動かすこと」を主目的としているのに対し、マイオブレース治療では以下のような点を重視します。
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口呼吸を鼻呼吸へ改善
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舌の正しい位置(スポット)を習得
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唇・頬・舌の筋肉バランスを整える
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正しい嚥下(飲み込み)を身につける
これらを改善することで、歯が自然に並ぶ環境を整えることを目指します。
なぜ「トレーニング」が必要なのか
歯並びが乱れる原因の多くは、以下のような日常的なクセです。
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口呼吸
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舌で前歯を押す癖
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唇が常に開いている
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飲み込む時に舌を前に出す
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姿勢が悪い
マイオブレース装置は、これらのクセを「気づかせ、正しい状態へ導く補助具」です。
しかし、筋肉の使い方そのものを変えるには、意識的なトレーニングが不可欠です。
トレーニングを行わずに装置だけを使用しても、
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効果が出にくい
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後戻りしやすい
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治療期間が長引く
といった結果につながることがあります。
マイオブレース治療で行う主なトレーニング内容
① 舌のポジショントレーニング
舌は本来、上あごの正しい位置(スポット)に軽く吸いついている状態が理想です。
トレーニングでは、
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舌先の正しい位置を覚える
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舌全体を上あごにつける感覚を養う
といった練習を行います。
舌の位置が安定すると、前歯を押す力が減り、歯並びや噛み合わせの安定につながります。
② リップトレーニング(口唇閉鎖)
口が常に開いているお子さんは、歯列が狭くなりやすい傾向があります。
トレーニングでは、
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唇を自然に閉じる力をつける
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口輪筋を正しく使えるようにする
ことを目的とします。
これにより、口呼吸から鼻呼吸への移行も促されます。
③ 正しい呼吸(鼻呼吸)トレーニング
口呼吸は、歯並びだけでなく、
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むし歯
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歯肉炎
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風邪をひきやすい
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集中力の低下
など、全身の健康にも影響します。
マイオブレース治療では、
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口を閉じて呼吸する習慣
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睡眠時の呼吸状態
にも注目し、必要に応じて呼吸トレーニングを行います。
④ 嚥下(飲み込み)トレーニング
間違った飲み込み方(異常嚥下癖)があると、舌が前歯を押し続けてしまいます。
トレーニングでは、
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舌を正しい位置に置いたまま飲み込む
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顔の筋肉に余計な力を入れない
といった練習を行い、無意識下でも正しい動きができることを目指します。
トレーニングは「毎日続けること」が大切
マイオブレース治療のトレーニングは、1回あたり数分程度です。
しかし、毎日継続することが何より重要です。
筋肉の使い方は、短期間では変わりません。
歯並びを悪くしていたクセは、何年もかけて身についたものだからです。
当院では、
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年齢
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成長段階
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生活習慣
に合わせて、無理のないトレーニング内容をご提案しています。
保護者の方のサポートが成功のカギ
小児のマイオブレース治療では、ご家庭での声かけや見守りがとても重要です。
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装置を正しく使えているか
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トレーニングを忘れていないか
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できたことをしっかり褒める
こうした関わりが、お子さんのモチベーション維持につながります。
まとめ:マイオブレース治療は「習慣を変える治療」
マイオブレース治療は、単なる矯正装置ではありません。
お口の使い方・呼吸・姿勢といった生活習慣を見直す治療です。
その中心となるのが、日々のトレーニングです。
正しく継続することで、
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歯並びの改善
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後戻りしにくい口腔環境
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全身の健康の向上
が期待できます。
当院では、マイオブレース治療やトレーニングについて丁寧にご説明し、専門のエデュケーターが一人ひとりに合ったサポートを行っています。
ご興味のある方は、ぜひお気軽にご相談ください。




