「スポーツドリンク=健康」とは限らない?|豊中市の歯医者・矯正歯科|エンパシーデンタルクリニック

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「スポーツドリンク=健康」とは限らない?

「スポーツドリンク=健康」とは限らない?|豊中市の歯医者・矯正歯科|エンパシーデンタルクリニック

虫歯のリスクに注意!

水分補給や運動中のエネルギー補給として人気のスポーツドリンク

「健康的な飲み物」というイメージを持つ方も多いかもしれませんが、実は虫歯のリスクが高い飲料であることをご存知でしょうか?

当院でも、虫歯の原因を調べていく中で「毎日スポーツドリンクを飲んでいた」ことが原因の一つになっていたケースは珍しくありません。

この記事では、スポーツドリンクが虫歯を引き起こすメカニズムと、虫歯を防ぐための飲み方の工夫について、わかりやすく解説します。


スポーツドリンクとは?

スポーツドリンクは、主に水分・電解質(ナトリウムやカリウム)・糖分を含んだ飲料で、発汗による水分とミネラルの補給を目的に作られています。

運動時や熱中症対策として役立つ飲料であり、医療現場や部活動などでも活用されています。

ただし、多くのスポーツドリンクには「甘さ」を感じるように、かなりの量の糖分(ブドウ糖・果糖・砂糖など)が含まれています。

一例:某有名スポーツドリンク(500ml)あたり

  • 含まれる糖分:約30〜35g(角砂糖に換算すると約10個分)

水のように飲んでいるつもりでも、実際は甘いジュースを飲んでいるのと同じような糖分を摂取しているのです。


スポーツドリンクと虫歯の関係

虫歯は「糖」と「細菌」と「時間」が原因

虫歯は、以下の3つがそろったときに進行します。

  1. 糖分(特に砂糖やブドウ糖など)

  2. 虫歯菌(ミュータンス菌など)

  3. 時間(酸性状態が長く続く)

口の中に糖分が入ると、虫歯菌がそれをエサにして酸を作り、歯の表面(エナメル質)を溶かしていきます。

これが虫歯の始まりです。

スポーツドリンクは「糖分が豊富」なだけでなく、「酸性度が高い」ものが多いことが問題です。

スポーツドリンクはpHが低い=歯に悪い

健康な歯の表面(エナメル質)は、pH5.5以下の酸性環境にさらされると脱灰(だっかい)という現象が起こり、歯の表面が溶けていきます。

市販のスポーツドリンクのpHは平均して3.5〜4.5前後。これはレモンやお酢に近い酸性度です。

つまり、スポーツドリンクは「糖分が多く、かつ酸性」という、虫歯と酸蝕歯の両方のリスクを高める飲み物なのです。


スポーツドリンクで虫歯になる人の傾向

スポーツドリンクを飲んでいても、すぐに虫歯になるわけではありません。

しかし、以下のような習慣がある人は要注意です。

1. 頻繁にちびちび飲む

→ 口の中が常に糖分&酸で満たされた状態になります。唾液による中和が間に合わず、虫歯が進行しやすくなります。

2. 寝る前や夜間に飲む

→ 就寝中は唾液の分泌が減少するため、酸の影響を受けやすくなります。

3. 水の代わりにスポーツドリンクを常飲している

→ 水分補給=スポーツドリンクになってしまうと、1日中口の中が虫歯リスクにさらされます。

4. 歯磨きの回数が少ない

→ 糖分が長時間歯に残ると、虫歯菌の活動が活発になりやすいです。

特に部活をしている中高生や、熱中症対策でスポーツドリンクを飲んでいる高齢者、介護施設の入居者などは、本人や周囲が注意してあげる必要があります。


虫歯を防ぐための飲み方の工夫

1. 水分補給は「水」や「お茶」を基本に

スポーツドリンクは運動中や脱水時の補助と考え、日常的な水分補給には水や麦茶を選びましょう。

糖分・酸が入っていない飲み物は、虫歯リスクが格段に低くなります。

2. 飲んだ後は口をすすぐ or ガムを噛む

スポーツドリンクを飲んだ直後に水で口をすすぐことで、口腔内の糖分と酸を減らすことができます。

また、キシリトール入りのガムを噛んで唾液を増やすのも効果的です。

3. 飲んだら時間を空けて歯を磨く

酸性の飲み物を摂取した直後は歯が柔らかくなっているため、30分程度経ってから歯磨きをするのが理想です。

もちろん、寝る前には必ず歯磨きをしましょう。

4. ストローを使って飲む

ストローを使うことで、飲み物が歯に直接触れるのをある程度防ぐことができます。

5. フッ素入りの歯磨き粉を使う

フッ素は歯の再石灰化を促し、酸に対して歯を強くする働きがあります。

高濃度フッ素(1450ppm)の歯磨き粉を使うことで、虫歯予防に大きく貢献します。


子どもや高齢者にも注意を

特に小さなお子さんは、甘い味に敏感でスポーツドリンクを好んで飲みがちです。

ペットボトルを持たせておくと、気づかないうちに1日中ちびちび飲んでいるというケースもあります。

また、高齢者や介護施設では、「水分補給しやすいように」と甘い飲料を選びがちですが、歯のケアが不十分なまま糖分を摂取し続けると、短期間でも虫歯や歯周病が進行してしまうことがあります。


歯科医院でできる対策

当院では、スポーツドリンクの影響を受けている可能性がある方には、以下のような対策を提案しています:

  • フッ素塗布

  • 定期的な歯のクリーニング(PMTC)

  • 食習慣のカウンセリング

  • 知覚過敏や酸蝕歯のチェック

  • 歯質を強くする再石灰化ケア

日常の飲み物が歯にどんな影響を与えるかを一緒に考えることで、虫歯の「予防」に力を入れることができます。


まとめ:スポーツドリンク=「虫歯予備軍」になる可能性も

スポーツドリンクは、熱中症対策や運動時のエネルギー補給として便利な飲料です。

しかし、糖分と酸が多く含まれているため、飲み方を誤ると虫歯リスクが非常に高くなることを忘れてはいけません。

「体に良いから」と何気なく飲んでいた飲料が、実は歯には大きな負担になっているかもしれません。

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