歯ぎしり・食いしばり
歯医者さんに行くと指摘されることもある「歯ぎしり・食いしばり」
そもそも約半数の方が無自覚です。わからないからといって放置しておくと大変なことになる可能性があります。
歯ぎしりや食いしばりの場合、ギリギリ音がするタイプと音がしないタイプがあり、その割合は約半分ずつと言われています。そのため歯ぎしり、食いしばりの自覚がないまま過ごしてしまい、「詰め物が何回もとれるな」「なんか治療した歯がすぐ壊れるな」「むし歯じゃないのにしみるな」などの、比較的地味な症状が長く続きやすいです。そこで「自分の歯の手入れが悪いんじゃないか?」と悩まれ、ますます歯医者に行きづらくなる、という負のスパイラルに陥ってしまうことも。歯ぎしり・食いしばりの原因はストレスとも言われていますが、いろいろな要素が複雑に絡み合って起きることもあり、まだはっきりとわかっていません。
放置していると…
歯ぎしり・食いしばりを放置すると歯に細かなヒビ(クラック)が入ってしまうことがあります。クラックは初めは無症状ですがそこからむし歯が進行し、気づいたら大きくなっていた!という残念な結果になることも少なくありません。また、歯の一番外側のエナメル質がどんどんちびてしまい、むし歯でないのに歯がしみてしまい神経を取る、ということもあり得ます。
実は就寝時は普段セーブされているあごの力が解放されてしまいます。普段の食事では10~20kg程度の噛む力ですが、夜間の歯ぎしり・食いしばり時には自分の体重ぐらい出ると報告されています。そんな力がでたら歯がすり減っていくのは当然ですよね。
少なくともこれ以上歯にダメージを与えないためにも、就寝時の歯ぎしりや食いしばりをしている方は寝るときに歯を守る「ナイトガード」の装着をお勧めします。ナイトガードの多くは上あごに取り外し式のプラスチックのプレートを装着し、夜中に歯と歯がこすれあうのを防ぐ役目があります。また、犬歯の部分だけをあてることで夜中の歯ぎしりのMax値を下げる事ができます。
また最近コロナ禍でみなさんストレスがたまっているのか、日中に食いしばりをされる方も増えてきています。人はボーッとしているとき唇は閉じているのですが、上の歯と下の歯は噛み合っていないのが正常です。食いしばりをしている人は何かに集中しているとき、顎にぐっと力が入ってしまい、上下の歯が当たっていることがあります。特にデスクワークの方は要注意です!画面に集中するあまり頭部が前に出てしまい食いしばっていることがあります。食いしばりに力の強弱は関係ありません。当たっているだけで歯にはストレスなのです。食いしばりはまずご自身で気づくところから始まります。まずは 1 時間ごとにタイマーを設定して、タイマーが鳴るたびに自分が何かに集中して食いしばっていないかチェックしてみましょう。
チェック項目
以下のチェック項目に当てはまれば、歯ぎしり、食いしばりをしている可能性があるので一度歯科医院に行くことをお勧めします。
□ 朝起きると顎が疲れている
□ 歯がすり減り、光沢がある
□ 歯が欠けやすい、折れやすい
□ 舌や頰に歯の痕がついている
□ 知覚過敏がずっとある
□ 治療した物がよく壊れる
□ ぼこぼこした骨のでっぱりがある