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入れ歯が合わなくなるのはなぜ?歯ぐきの“やせ”とメインテナンスの重要性
「せっかく入れ歯を作ったのに、また歯医者さんに来なきゃいけないの?」
そんな疑問を持ったことはありませんか?
入れ歯は完成したら終わり……ではなく、むしろ「使い始めてから」が本当のスタートです。
実は、入れ歯は時間の経過とともに少しずつお口に合わなくなっていくことがあります。
その主な原因は「歯ぐきのやせ」です。
本記事では、入れ歯が合わなくなる理由とその対策としての定期的なメインテナンスの重要性について詳しくご説明します。
Q:入れ歯が合わなくなるのはなぜ? A:主な原因は、歯ぐき(顎の骨)のやせです。
人間の身体は年齢とともに変化していきます。それはお口の中も同じ。
特に、歯を失った部分の歯ぐき(顎の骨)は、使われなくなると少しずつ吸収されて痩せていきます。
入れ歯の下にあるこの歯ぐきの形が変わることで、最初はぴったり合っていた入れ歯でも、時間とともに徐々に合わなくなっていくのです。
「入れ歯が合わない」とはどういう状態?
入れ歯が合わなくなってくると、以下のような症状が見られることがあります。
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入れ歯ががたつく、動くようになった
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食事中に歯ぐきが痛む
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入れ歯が外れやすくなった
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話していると外れる、舌が動きにくい
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食べかすが入れ歯の下に入りやすくなった
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顎がだるい、疲れる
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口元やフェイスラインが変わってきた
このような症状が出たまま放っておくと、歯ぐきに傷ができたり、潰瘍になったり、さらに合わない入れ歯を無理に使い続けることで顎がずれたりと、さまざまなトラブルの原因になります。
入れ歯は「作った後」が大切
入れ歯を作った直後は、型取りや噛み合わせの調整をしっかり行っています。
しかし、お口の中の環境は日々変わっていきます。
特に歯を支えていた顎の骨は、歯がなくなると数ヶ月〜数年で形が変わるため、それに合わせて入れ歯も調整が必要になるのです。
🦷 POINT:入れ歯は「メガネ」と同じようなもの
メガネも、視力や顔の形に合わせて定期的に調整が必要ですよね?入れ歯も同じで、日々のお口の状態に合わせた微調整が欠かせません。
合わない入れ歯を放置するとどうなる?
1つの部分が合わなくなっても、他の部分で支えることで一時的には問題なく使えることがあります。しかしその状態を続けていると…
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入れ歯が安定せず、強く噛む癖がついてしまう
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入れ歯と歯ぐきの摩擦で傷や口内炎、潰瘍ができる
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顎の左右バランスが崩れて顎関節症や咀嚼力の低下
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食事が楽しめなくなり、栄養不足や体調不良に
これらはすべて「合わない入れ歯を放置したこと」によって起こる可能性のあるトラブルです。
定期メインテナンスの役割とは?
定期的なメインテナンスでは、以下のようなことを行います。
内容 | 目的 |
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入れ歯の状態チェック | がたつき・ヒビ・摩耗の有無を確認 |
歯ぐきの状態確認 | やせ具合や炎症の有無を確認 |
噛み合わせの調整 | 顎や筋肉への負担を軽減 |
必要に応じた修理 | クラスプ(金具)の調整や裏打ち(リライニング)など |
清掃・超音波洗浄 | 自宅では取れない歯石や汚れの除去 |
よくある質問
Q. 「まだ痛くないから、調整しなくてもいいですよね?」
→ 痛みが出るころには、すでにお口の環境がかなり変化していることが多いです。 早めのチェックでトラブルを未然に防ぎましょう。
Q. 「費用が心配です……」
→ 調整や点検のみであれば、保険診療内で行えることが多いです。放置して再製作になってしまう方が費用負担が大きくなるため、早めの受診が結果的に経済的にも安心です。
Q. 「忙しくてなかなか行けません……」
→ 定期メインテナンスは15〜30分ほどで終わることが多いです。半年に一度の“お口の健康診断”と考えて、無理のないスケジュールで通院をおすすめします。
入れ歯と長くつきあうために
入れ歯は一度作ったら終わりではなく、「育てていくもの」とも言えます。
体の一部として毎日使うものだからこそ、定期的なメインテナンスと日々のお手入れが必要不可欠です。
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「最近ちょっと外れやすくなった」
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「噛むと少し痛む」
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「食事のときに違和感がある」
こんな小さな変化を感じたら、それはメインテナンスのサインかもしれません。