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「最近なんだか顎がだるい…」その症状、もしかして“食いしばり”かも?
スマホやパソコンを長時間見続けた後、「なんだか顎が重い」「奥歯に違和感がある」「朝起きたら顎が疲れてる」と感じたことはありませんか?
その症状、もしかすると「歯ぎしり」や「食いしばり」が原因かもしれません。
現代人は、知らず知らずのうちに歯を強く噛みしめる“クセ”がついてしまっていると言われています。
特に、スマホやパソコンなどを長時間見続けることが多い方は要注意。
この“無意識の習慣”が、歯の寿命を縮め、顎関節症や頭痛の原因にもなっているのです。
歯ぎしり・食いしばりとは何か?
● 歯ぎしり(ブラキシズム)
睡眠中に強く歯をこすり合わせる行為。ギリギリと音が鳴るタイプだけでなく、音が出ない「噛みしめ型」もあります。
● 食いしばり(クレンチング)
日中の仕事中や運転中、スマホ操作中など、無意識に歯を噛み締めている状態。
特に集中している時やストレスを感じている時に起きやすいのが特徴です。
なぜスマホやパソコン使用中に食いしばってしまうのか?
スマホやパソコンを見る姿勢が前傾になると、頭の重さ(成人で約4~6kg)を首や顎周りの筋肉で支える必要が出てきます。
すると、無意識に歯を噛みしめてその負担を軽減しようとする動きが起きるのです。
また、集中時に眉間にシワが寄り、首や肩が緊張していると、自然と顎の筋肉も固まってしまい、食いしばりが発生しやすくなります。
食いしばりが引き起こす“深刻なダメージ”
食いしばりや歯ぎしりを軽く見るのは危険です。以下のような症状が出ている方は、すでに何らかのダメージが進行している可能性があります。
・顎がだるい、痛い
→ 顎関節症の初期症状。関節円板のズレや炎症が疑われます。
・歯がしみる、欠けている
→ 強い力によってエナメル質が削れ、知覚過敏やクラック(歯のヒビ)につながります。
・詰め物や被せ物がよく取れる
→ 咬合力が異常に強く、補綴物が耐えられなくなっている証拠。
・肩こりや頭痛、耳の違和感
→ 顎周辺の筋肉の緊張が、首や頭の筋肉へと波及しています。
食いしばり・歯ぎしりのセルフチェック
以下の項目に1つでも当てはまる方は、注意が必要です。
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起床時に顎が疲れている
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頬の内側に白い線がある(咬筋で擦れている証拠)
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舌の横にギザギザの跡がついている
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肩や首が慢性的にこっている
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詰め物がよく外れる、割れる
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集中しているときにふと歯を噛み締めていることに気づく
歯を守るためにできる、5つの対策
①「歯は接触していないのが正常」と意識する
上下の歯は、食事中以外は接触していないのが基本です。
無意識に歯が当たっていたらすぐに離すクセをつけましょう。
② デジタルデトックス&姿勢の改善
スマホ・パソコンを使う時間を意識的に減らし、首や背中が丸くならないように気をつけましょう。
モニターの高さや椅子の位置を見直すだけでも、顎への負担は軽減されます。
③「TCH(Tooth Contacting Habit)」を防ぐアラート
「歯がくっついていない?」と気づくために、スマホのタイマーを30分ごとに設定したり、デスクに「歯を離す」と書いた付箋を貼っておくのもおすすめです。
④ ストレッチやマッサージを取り入れる
咬筋や側頭筋をほぐす簡単なマッサージを1日数回取り入れることで、筋肉の緊張が和らぎます。
例:
・こめかみを優しく円を描くようにマッサージ
・耳の前のくぼみに指を当てて軽く押す
・肩甲骨周りのストレッチで全身の緊張をほぐす
⑤ 就寝時のマウスピースを検討する
睡眠中の歯ぎしりは自分ではコントロールできません。歯科医院でナイトガード(マウスピース)を作成するのも有効です。
「歯を物理的に守る最後の砦」です。
歯は“沈黙の臓器” だからこそ早めの対策を
歯や顎の異常は、初期にはなかなか症状が出ません。しかし、気づいた時にはすでに手遅れというケースも少なくないのが現実です。
歯の寿命を延ばすには、痛くなる前に気づいて、行動を変えることが大切です。
スマホやパソコンは現代生活に欠かせない存在ですが、無意識に歯や顎に大きな負担をかけていることを、今一度見直してみませんか?
■ まとめ
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顎がだるい原因の多くは「歯ぎしり・食いしばり」
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スマホやパソコンの姿勢が咬筋に負担をかける
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日中の意識と就寝時の対策がカギ
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放置すれば歯が割れたり、顎関節症に進行する危険も
歯は一生使う大切なパーツ。気づいた今が、「歯を守る行動」を始めるチャンスです。
今日からぜひ、“噛みしめない生活”を心がけてみてください。