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「最近、歯医者に行っていないな…」
「虫歯もないし、痛みもないから必要ないと思ってた」
そんなふうに感じている方は少なくないでしょう。
けれども、それは本当に“健康な口の中”と言えるでしょうか?
日本では、むし歯や歯周病を予防するために昔から「3つの柱」が重視されています。
むし歯・歯周病を防ぐ3本柱とは?
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歯磨き(ブラッシング)
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甘い物の取りすぎを控える(甘味制限)
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定期的な歯科健診
このうち、最も「後回し」にされやすいのが定期健診です。
歯磨きや食生活に気をつけていれば、自分は大丈夫――そう思い込んでいませんか?
しかし、これは大きな誤解です。
3か月に一度の健診が推奨される理由
歯科医師の多くが「定期健診は3か月に一度が理想」と言うのには、ちゃんとした根拠があります。
歯の治療を終えて、メインテナンスを受けた後、口の中のプラーク(歯垢)や歯石が再び蓄積し、虫歯や歯周病のリスクが高まるまでのサイクルが、平均しておよそ3か月だからです。
つまり、3か月ごとにクリーニングやチェックを受けることで、トラブルの芽を早めに摘み取ることができるのです。
しかも、虫歯や歯周病は初期段階ではほとんど自覚症状がありません。
痛みや腫れなどを感じるようになる頃には、すでに症状がかなり進んでいることが多いのです。
「痛くなってから」では遅い理由
歯科医院を“治療のためだけ”に利用している方は多いですが、それではいつも「後手」に回ってしまいます。
▽例えばこんなケース
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歯がしみる → 受診したら神経まで達していて、神経を抜くことに
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歯ぐきが腫れた → レントゲンを撮ると歯周病がかなり進行していた
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噛みにくい → 歯が傾いていたり、すでにグラグラして抜歯が必要だった
つまり、「自覚症状が出る=すでにダメージを受けている」ということなのです。
あなたの健診ペース、本当に合っていますか?
「じゃあ、3か月に一度通えばいいんだな!」と思われるかもしれませんが、実は健診の理想的なペースには個人差があります。
たとえば、以下のような要因で健診の頻度は変わります。
▽リスクが高く、より短い間隔が必要な方
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虫歯ができやすい体質(唾液が少ない、歯質が弱いなど)
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歯周病が進行している、あるいは再発を繰り返している
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糖尿病や心疾患などの全身疾患を持っている
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妊娠中の方(ホルモンバランスで歯周病リスクが上昇)
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喫煙習慣がある
このような方は、1~2か月ごとのチェックが必要になる場合もあります。
実際、ある著名な政治家は30年以上、週に1回の歯科健診を欠かしていないそうです。
それほどまでに、口の中の健康は人生全体に影響するということです。
では逆に、「3か月より長く空いても大丈夫な人」っている?
実は、います。
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虫歯になりにくい体質の方
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正しいブラッシングとフロス習慣が定着している方
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歯石がつきにくい唾液の性質を持つ方
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歯周ポケットの深さが安定しており、出血もない方
このような方は、半年に一度程度の健診でも十分にコントロールできることもあります。
ただし、これはあくまで歯科医師の診断に基づいたうえでの話です。
自己判断で「自分は大丈夫」と決めつけてしまうのは危険です。
健診でわかること、できること
定期健診では、単に「虫歯があるかどうか」だけを見るわけではありません。
次のような総合的なチェックとメインテナンスが行われます。
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歯垢・歯石の除去(プロによるスケーリング)
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歯ぐきの状態チェック(歯周ポケットの深さ測定)
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咬み合わせ・歯のすり減り確認
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詰め物や被せ物の劣化チェック
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噛み癖や磨き残しの指導
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お口の中の粘膜や舌の異常(口腔がんの早期発見にも)
普段のセルフケアでは見つからない、さまざまな異常を早期に発見・対処できるのが、定期健診の大きな意義です。
「忙しいから」「めんどう」―― それでも行く価値がある
仕事や育児で忙しい、通院が面倒、費用が気になる…。
そうした理由で健診を後回しにしてしまう気持ちもよくわかります。
でも、もしあなたが「将来も自分の歯で美味しく食べたい」「入れ歯やインプラントに頼りたくない」と願っているのなら、今こそ“予防の一歩”を踏み出すタイミングです。
歯の治療は、早期なら少ない痛み・時間・費用で済みますが、放っておくとその何倍ものコストがかかることになります。
まとめ:あなたの“かかりつけ歯科”を持とう
定期健診を習慣にするためには、自分に合った歯科医院との信頼関係が大切です。
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相談しやすい雰囲気か
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丁寧に説明してくれるか
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通いやすい距離・時間帯か
これらの観点で、自分の“かかりつけ歯科”を見つけましょう。
そして、まずは一度受診して、自分に合った健診ペースを相談してみてください。
最後に
虫歯や歯周病は、「ならない努力」ができる病気です。
大切なのは、“症状が出ていない今”こそ、行動すること。
未来の自分の歯を守るのは、今のあなたの選択です。
3か月~半年以上歯医者に行っていない方はぜひ今日、歯科医院の予約を取ってみてください。