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お子さんの歯の生え変わりが始まると、保護者の方は「ちゃんと全部の永久歯が生えてくるのかな?」「なかなか次の歯が出てこない…」と、不安になることがあると思います。
実は、そんなときに考えられる原因のひとつに「先天性欠如歯(せんてんせいけつじょし)」という状態があります。
これは、もともと永久歯の「芽(歯胚)」が存在していないため、自然に生えてこないという先天的な症状です。
今回は、「永久歯が生えてこないのはなぜ?」と心配している保護者の方に向けて、先天性欠如歯とは何か?どうやって気づくのか?放っておいてもいいのか?などをわかりやすく解説します。
先天性欠如歯とは?
「先天性欠如歯(せんてんせいけつじょし)」とは、本来あるはずの永久歯が、最初から存在しないという先天的な異常です。
本来、人の永久歯は親知らずを除くと28本ありますが、そのうちの1本〜数本が欠けている状態が「先天性欠如歯」です。
なぜ起こるの?
原因は完全には解明されていませんが、主に次のような要因が考えられています:
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遺伝的な要素(家族内で同じ歯が欠如していることも多い)
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胎児期の発育異常
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顎の発達やホルモンの影響
特別な病気というよりも、生まれつき「永久歯の芽(歯胚)」ができていないことが原因であり、10〜15人に1人の割合で見られる比較的よくある状態です。
どの歯が欠如しやすいの?
先天性欠如は、以下の歯によく見られます:
| 欠如しやすい部位 | 備考 |
|---|---|
| 下の前から5番目(第2小臼歯) | 最も欠如が多い場所です |
| 上の側切歯(前歯のすぐ横) | 見た目の問題にも関わります |
| 親知らず(第3大臼歯) | 欠如していても大きな問題なし |
※まれに、永久歯が6本以上ない状態(多数歯欠如)や、乳歯の段階から歯がない(乳歯先天欠如)も存在します。
どのように気づくの?
お子さまの歯の生え変わりを観察していると、次のような異変で気づくことがあります。
✔ 乳歯が抜けたのに、なかなか永久歯が生えてこない
乳歯が抜けて半年〜1年たっても永久歯が出てこない場合、レントゲンで確認が必要です。
✔ 片側だけ永久歯が生えて、反対側がいつまでたっても出てこない
左右で非対称に歯が生える場合、片側の欠如が疑われます。
✔ 乳歯がなかなか抜けない
乳歯の下に永久歯がないと、自然に押し上げられずに乳歯が長く残るケースも。
診断にはレントゲン検査が必要
外見では判断がつかないため、歯科医院でのパノラマレントゲン撮影が欠かせません。
レントゲンで永久歯の「歯胚(歯の芽)」が確認できない場合、先天性欠如と診断されます。
放っておいても大丈夫?
「永久歯がないなら、そのままでもいいのでは?」と思われるかもしれませんが、実は放置によってさまざまな問題が生じる可能性があります。
歯並びの乱れ
隣の歯がすき間に倒れ込んだり、反対側の歯がずれたりして、歯列全体のバランスが崩れることがあります。
噛み合わせの異常(咬合不良)
噛む位置が安定せず、顎への負担や、将来的な咀嚼機能への影響が出る可能性も。
見た目の問題(特に前歯の欠如)
上の前歯の横(側切歯)が欠けている場合、すきっ歯や非対称な印象になり、見た目への影響が大きくなります。
乳歯が残っていても、将来的に問題に
乳歯が残っていても、根っこが短くなる・虫歯になりやすい・抜ける時期が不安定になるなど、将来のトラブルの原因になります。
先天性欠如歯の対応方法は?
欠如の本数・位置・成長状況によって、対処法は異なります。以下のような選択肢があります。
① 乳歯をできるだけ長く使う
→ 永久歯がない部分に乳歯が残っている場合、それを大切に保存して使い続ける方法です。
虫歯予防や噛み合わせ管理がとても大切になります。
② 矯正治療でスペースを調整
→ 欠如した部分を閉じたり、整った歯並びにするために**歯列矯正(ワイヤーやマウスピース)**を行うことがあります。
③ ブリッジやインプラントで補う(将来的に)
→ 永久歯が生えてこない部分に人工歯で補う方法です。
顎の成長が終わる高校生〜成人以降に適用されることが多いです。
◆ 年齢ごとのポイント
| 年齢 | 注意点・対応 |
|---|---|
| 6〜10歳 | 生え変わりの時期。レントゲンで歯胚の有無を確認 |
| 10〜15歳 | 矯正治療やスペース確保の検討時期 |
| 高校生以降 | インプラント・補綴治療を検討 |
保護者の方にできること
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生え変わりの時期を把握しておく
→ 上下の前歯:6〜8歳、奥歯:10〜12歳が目安です。 -
左右で歯の生え方が極端に違う場合は歯科を受診する
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定期的に歯科検診を受ける
→ 小児歯科では、必要なタイミングでレントゲン検査を提案します。 -
乳歯を大切にケアする
→ 欠如がある場合、乳歯を健康に保つことがカギになります。
まとめ:永久歯が生えてこないのは「めずらしくない」。早めの確認がカギ!
永久歯が生えてこない=「異常」ではありません。
先天性欠如歯は決して珍しいものではなく、適切な時期に見つけて対策をとることで、機能的にも見た目にも問題なく育つことができます。
お子さまの健やかな歯の成長のために、
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生え変わりのペースが遅い
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乳歯が抜けても永久歯が生えない
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片側だけ歯が生えていない
と感じたら、早めにかかりつけの歯科医院で相談しましょう




